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事務所通信


平成18年05月10日発行


財政の運用方法について

【 貯 蓄 】
貯金箱にお金を貯めることや、銀行や郵便局に預金することです。そのため元本を割ることはありません。安全性、換金性は高いのですが、大きく増えることはありません。

【 投 資 】
中、長期により収益性を得るために、株や債権を購入することです。情報を収集し、調査や分析に時間をかけて慎重に投資先を選んで資金を運用することが大切です。
 元本は保証されず、損をする可能性もあります。

【 投 機 】
  短期的に高収益をもくろみ、一発勝負を期待して資金を投入します。ギャンブルや賭け事のように当れば大きい収益を得ることもありますが、はずれると投じた金額は0となるばかりでなく、大きな損失を負うこともあります。

所長 神谷 勇雄


実録、企業再生

 大企業では「史上最高益」「大幅売上増加」などの言葉が踊っていますが、中小企業では業績の低迷が継続しているのが一般的な景況判断です。しかし、このような一般的な景況がすべての企業に当てはまるわけではなく、中には元気な中小企業があります。今回は「頑張っている中小製造業A社」のお話です。

 今は昔の苦境時代

A社は私どもの顧問先企業のご紹介で4年ほど前に出会った社員14〜5人の精密機械加工をおこなっている会社です。出会った頃の状況は、

(1)借入金の総額が年商とほぼ同額  
(2)最終利益は一千万円台の赤字が過去2〜3年継続

であり、正に「倒産の崖っぷちに立たされている状態」でした。借入金が増加した原因は、「過剰な設備投資」「節税目的での過度な経費支出」でした。しかし、「何とか借金を減らし、子供に健全な財務状態で会社を譲りたいという社長の強い思い」から、私どもと共に企業再生に取り組みました。

 どうやって再生に取り組んだか?

企業再生にあたり、A社と私どもでは、

(1)リストラなどにより、どの程度の経費削減が可能か?
(2)資産売却などにより、どの程度の借入金の圧縮が可能か?
(3)生き残りのためには、どの程度の利益および売上が必要か?

ということを詳細に検討し、更にはこの売上高等をいかにしたら実現できるのか、その具体策を検討しました。これらの検討結果を「経営改善計画書」にまとめあげ、金融機関に提出し、支援を要請しました。しかし、財務内容がかなり厳しかったせいか、金融機関からは具体的な支援の返答はいただけなかったことを覚えています。

 社長の意地が会社を救った!

 これが逆に社長の発奮材料となり、自ら取引先を走り回り、受注の拡大や利益率の高い受注の確保などに努力されました。一方、経費についてはリストラ等も実施し、徹底した削減をおこないました。そして、「経営改善計画書」に記載された売上高や利益などの計画値を達成しているか毎月確認し、翌月以降への「改善目標」へ落とし込みをおこないました。

 企業努力が花開いた!

 製造業の景気回復も追い風となり、2年ほど前から受注が大幅に伸び、利益も徐々に増え始め、年間利益も1千数百万円を計上し、苦しかった資金繰りも安定するようになりました。今ではメインバンク以外の金融機関から低い金利での融資のお話を持ってきていただけるようにもなりました。A社が苦境を脱し、好調な業績をあげた原因は、

(1)経営計画に基づく売上高、経費および利益等の目標値の明確化
(2)計画値を達成しようとする企業努力と行動力
(3)予実対比による実績値の確認と改善策の明確化

に尽きると思います。
 ただ漫然と頑張っているだけでは企業は再生しません。社長の熱意と社員の実行力と経営ノウハウが会社を再生させるのです。再生の実態をより深くお知りになりたい方、資金繰り等で悩んでいる方は是非ご相談ください。
注)なお、本記事につきましてはA社の社長様のご了解をいただいて掲載させていただきました。

専務 神谷 正紀


役員賞与が損金算入へ!

 平成18年度の税制改正で、法人所得の計算上、損金に算入が認められていなかった役員賞与が損金に算入できることになりました。会社法で役員報酬・賞与が職務執行の対価として一本化したため、法人税法も役員給与に一本化されました。ただし、無条件で損金にはできません。

1.定期同額要件
 役員給与の支給時期が1か月以下の一定期間ごとで、支給額が同額であること。従来の定時定額に相当する要件です。

2.確定額届出要件
 所定の時期に確定額を支給する定めがある役員給与。ただし、その定めの内容に関する届出を予め税務署長にしておくことが要件となります。
税務署には「その役員に、いつ、いくら支払う」のかを届け出ることになります。
届出より多く支払った場合だけでなく、少なく支払った場合も損金となりません。
この他にも利益連動型役員報酬も損金算入が認められましたが、残念ながら同族会社ではこの規定を使うことは出来ないことになっています。

 この規定は平成18年4月1日以後に開始する事業年度から適用となります。
また、1)役員賞与に係る職務の執行を開始する日、2)その事業年度開始の日から3月を経過する日のいずれか早い日までに届出をして、役員賞与を支給しなければ、損金算入をすることができません。

1)の職務の執行を開始する日ですが、1月から6月の職務に対する賞与を6月に支給する場合には、1月1日が職務開始をする日となります。なお、平成18年4月1日以後最初に開始する事業年度について、当該いずれか早い日が平成18年6月30日以前となる場合における届出期限は、平成18年6月30日とする経過措置がとられています。
 しかし反面で、同族関係者等で90%以上の株式を保有しており、かつ同族関係者等が常勤役員の過半数を占めている場合、役員給与にかかる給与所得控除相当額を損金不算入とする制度も創設されていますので、こちらにも注意をする必要があります。

役員給与の支給パターン
(財務省ホームページより)

中塚 雅博


地震大国日本」 地震対策は万全ですか?

ここは日本、世界有数の地震大国です。阪神・新潟に続いて次はどこに大地震が発生するかはわかりません。地震対策をしっかりとしておかないと、いざという時に大変なことになります。
平成18年度の税制改正で、地震対策に関連する税制が創設されました。

 地震保険料控除

住用の家屋、生活用動産を保険の目的とする地震保険契約にかかる地震等相当部分の保険料の全額(最高5万円)を、その年分の所得金額から控除するというものです。
 平成19年分以後の所得税から適用されます。(従来の損害保険料控除は廃止)
 平成18年末までに締結した長期損害保険契約がある場合には、今まで通りの損害保険料控除を適用することができます。(最高1.5万円)
 ただし、地震保険料控除も同時適用する場合には合わせて最高5万円となります。



 耐震改修促進税制(所得税)

 個人が平成18年4月1日から平成20年12月31日までの間に、その居住用家屋を耐震改修(新耐震基準に適合した改修)した場合費用の10%相当額をその年分の所得税額から控除するというものです。(最高20万円)
 ただし、この対象となるのは地方自治体によって指定された地域住宅計画や耐震改修促進計画の区域に限られますので、これらの確認と、税額控除金額の計算明細書・自治体が発行する証明書を確定申告書に添付することが必要です。

耐震改修工事費用×10%=所得税額控除(最高20万円)

 耐震改修した場合には、この他にも固定資産税の減額や、事業用建築物に係る耐震改修促進税制(特別償却)がありますので御確認ください。
 この機会に地震対策をバッチリとやって、税金も少なくしたいものです。

太田 隆一郎

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