2011年3月号
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かけはし 2011年3月号
税制改正を考える(相続税対策)
平成23年度の予算案はやっと衆議院を通過し、成立の見込みとなってきましたが、予算関連法案(税制の改正など)はどうなるのか、全く予断を許さない状態です。
この税制改正の中で多くの方々の注目を浴びているのが、相続税の改正に伴う増税です。私もここ2ヶ月ほど、いくつかの企業等から「相続税改正の内容について話をして欲しい。」という依頼を受けました。このテーマに関する関心の高さがうかがえます。
そこで相続税改正の概要と生前贈与の活用方法について、今回はお話しします。
■相続税改正の概要
(1) 相続税の基礎控除額の引き下げ
相続した財産が基礎控除額を超えると相続税が発生します。この基礎控除額が大幅に引き下げられました。
具体的には・・・
基礎控除額
(現 状)5,000万円 + 1,000万円 × 相続人の数
(改正後)3,000万円 + 600万円 × 相続人の数
相続人が妻と子供2人の場合、現状では相続財産が8,000万円までは課税されませんが、改正後では4,800万円を超えると課税されることとなります。大増税です。
(2) 相続税の税率の細分化と最高税率の引き上げ
富裕層からは税金をがっぽりいただこうという方向性(?)からか、最高税率の引き上げと税率の細分化が予定されています。ただし、最高税率は課税される財産が6億円超の話ですので、地方ではあまり関係ないことかなと思います。
(2) 死亡保険金の非課税枠の縮小
死亡保険金を受け取った場合、相続人1人につき500万円までは非課税とされていましたが、改正案では生計を一にしている相続人に限定されます。
こうして見ると、まさに相続税については増税のオンパレードです。
■財産の生前贈与の活用
相続税の節税を考える場合、まず、手っ取り早く副作用の少ない手法として、「贈与税の基礎控除110万円の活用」があります。メリットとしては、
(1)節税効果が大きい。たとえば、10年間5人の子や孫に200万円づつ贈与した場合、1億円の財産が450万円の税負担で移転可能となります。
(2)贈与は配偶者や子供だけでなく、孫や他人までも贈与可能です。
ただし、相続人への贈与の場合、相続開始前3年以内の贈与財産については相続税の課税対象に取り込まれます。
計画的な連年贈与については一時の贈与と認定され、多額の贈与税が課税されるなどの注意点もあります。相続税の節税はこのように長期間を要するものです。多額の財産を所有されている方は他にも様々な手法がありますので、早急にご相談ください。
物忘れは年のせいではない
或るところの87歳のオバーサンは記憶力も確かで行動もハツラツとしており、先日『脳年齢』を測定したら、なんと32歳だったという。
なぜ彼女は明晰な頭脳を維持出来たのだろうかと調べてみたら、意外な事実がわかった。
人間の脳細胞は、年齢と共に減少し再生しないと、100年に渡り信じられてきた定説が覆されたのだ。日米の研究チームは脳細胞に必要な栄養を与えることで、脳細胞の増殖・分裂に成功したという。
つまり、老化によって衰えた脳も若返るのだ。脳に必要な成分は核酸で、これを摂取したら87.5%の人の脳年齢が若くなったという。
だから、物忘れが多くなったのは年のせいだと思ってはならない。もちろん、暴飲暴食はいけないし、遺伝の関係もあるとは思うが、「私はまだ若いんだ」と思うことから、事は始まる。
東北地方太平洋沖地震・長野県北部地震義援金を支払った、またはお考えの皆様へ
今回の震災で被災された方々ならびに関係各位の皆様に謹んでお見舞い申し上げるとともに、一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。
こうした状況下、被災を免れている私たちに今できることのひとつに義援金による支援があります。
通常個人又は法人が、国又は地方公共団体、日本赤十字社などの指定を受けている団体への義援金は下記のとおり税制上の特典を受けることができます。
■税制上の特典
<個人が義援金を支払った場合>
以下の計算による金額が所得税における寄付金控除の対象となります。
(その年中に支出した特定寄付金の額の合計額)−2千円=寄付金控除額
注)特定寄付金の額の合計額は所得金額の40%相当額が限度です。
<法人が義援金を支払った場合>
支出した義援金の額の全額が損金算入の対象となります。
今回の震災では報道機関等さまざまな募金団体による寄付の呼びかけがなされています。
3月15日に国税庁のホームページに掲載されましたが、こうした募金団体を通じて義援金を寄付した場合でも、その義援金等が最終的に国、地方公共団体に拠出されるものであることを税務署が確認できれば、「国等に対する寄付金」として、上記の税制上の特典を受けることができるようです。
実際の申告の際には寄付金の『領収書』の添付等が必要になるわけですが、ATM・ネットバンキングによる指定口座への振込など、支払時に領収書を受け取れないケースも現実にはあります。
国税庁へこの点を直接問い合わせてみたところ、そうしたケースであったとしても原則領収書は必要との回答で、支払前に募金団体に領収を発行送付していただけるか確認をしてくださいとのことでした。
募金団体のHP上で税制上の特典が受けられる又はそうでない旨の告知がなされていたりしますので、ご確認いただくことをお勧めします。
最後に、毎回のように混乱期に乗じて募金と称した詐欺行為が多く見受けられるようですので、そちらにもご注意ください。