税理士/長野県上伊那郡を拠点として活動する税理士法人さくら中央会計/宮田村、伊那市、駒ヶ根市

トップページ > 事務所通信 > 2013年8月号

 

2013年9月号

 

【お問い合わせ】
税理士法人さくら中央会計
〒399-4301
長野県上伊那郡宮田村157 TEL:0265-85-2290
FAX:0265-85-3935

事務所通信

かけはし 2013年9月号

 

売上高の確保に全力をあげよう

 

 東京オリンピックの開催も決まり、世の中の景気回復に一層の拍車がかかるのではないか、などのマスコミ報道が急に目につくようになりました。

 が、しかし、中小企業の懐具合は苦しいままのところが多く、景気回復期待の神頼みの状況が続いています。

 かなりの中小企業が資金繰りにおいて、厳しい状況におかれたままで金融機関への依頼により何とか資金繰りをつないでいる企業も少なくありません。

支店長に頼んでなんとかなる時代ではない

 

既に多くの経営者の方がご存知のように、金融機関の支店長に懇願して資金が融資される時代ではありません。
「試算表などの利益状況などの数値に基づいた定量評価が80%」

「経営者の人物評価などの定性評価が20%」

などと言われますが、企業の利益を始めとした業績が良くなければ融資が困難な時代となっています。

とにかく、決算書や試算表に現れる数値を良くしていくしかありません。その点ではアメリカナイズされており、義理や人情、温情といったものは通用しません。

10年前の経営改善の手法

 

私どもが企業再建のお手伝いをしていた10年前はリストラ(企業の再構築)という言葉がはやりました。すなわち、人員の削減や支店の閉鎖などの不採算部門のカットなどにより、支出を徹底的に削減し、少ない収入とバランスのとれた支出にすることにより、企業生命の維持継続を図ることが主たる改善手法でした。

現在の経営改善の手法

 

既にほとんどの企業がカットできる経費は極限まで削減しています。それでも利益確保ができない中小企業が多いのが現在の状況です。

つまり、売上が企業維持の最低限のラインにまでも達していないのです。生きていくのに茶碗一杯のご飯は最低食べないと生きていけないのに、茶碗半分のご飯しか食べれない状況です。この状況を打開できるのは経営者しかいません。

親企業や知り合いの企業に掛け合い、仕事の紹介をうけるとか、売れ筋の商品を仕入れて販売するなど自ら行動し、受注のチャンスを獲得するしかありません。どんな優秀なコンサルタントでも経営者の代わりに売上を獲得してくれることはありません。頼りになるのは自分だけです。

売上の入金方法に注意

 

たとえば材料込みで受注をしていた企業が円安による材料値上がりにより、加工賃だけ得る方法に変更すると、入金額が大幅に減少し、いくら利益の上がる仕事であっても、資金繰りがかえって苦しくなることがありますので注意が必要です。

資金繰り等でお困りのことがありましたら、何なりとご相談ください。

 

 

仕事を通してお客様の人生を守る

 

 先日、TKCの秋季大学の分科会で、長野市にある中央タクシー(株)宇都宮会長の講演会に参加させていただきました。テレビや本などで取り上げられている方であり、知っている方もおられると思います。

 講演テーマは、「お客様が感動し社員が躍動する会社づくり」で1時間30分のお話でしたが、涙が出るような感動するエピソードの連続でした。

 

 

中央タクシーでの決まりごとは、「@自己紹介をする Aドアを開ける B傘をさす」の3つだけだそうです。しかし、200人ほどの従業員がタクシー業務を通じてお客様に様々な感動を与えていることに驚かされました。
そのエピソードのいくつかを、紙面の都合上、極めて簡略化して書いてみます。

  • 震災の影響で海外からの飛行機の到着が遅れたお客様を12時間空港で待っていて、電話をかけたら、まだ空港にいてくれていて、心細い中で、神の声だと感謝された。
  • 病院に送っていったお客様が、タクシーに乗る前に無くした財布を、一人で戻り探して病院に届けた。
  • 電動車いすのお客様を病院に送るために、毎回、車いすを分解してタクシーに載せて、降りる時に組立てていた。

など、どれも、従業員からの報告は一切なく、すべてお客様からの感謝の手紙や電話で知ったものばかりだそうです。

  お客様の声の中で、「いつも利用している中央タクシーを、乗っていない時でも、街中で見かけるとほっとして幸せを感じる」というおばあさんの話には特に感動し、こうありたいと思いました。

 講演終了後、講師控室にお伺いし、どうしたら従業員の皆さん一人一人がお客様に感動を与えられるようになるか、その秘密をお伺いしたところ、「社風です」という回答でしたが、一朝一夕ではできない、そうした社風や企業文化を作り上げるまでの過程に強く関心をもちました。

 私ども、(税)さくら中央会計も、名前を聞けば、幸せを感じて頂けるような、そんな会社になれるよう、お客様に誠心誠意を尽くせる社風を作っていけたらと考えております。

 

怒(ド)と恕(ジョ)のちがい

 

 二字とも同じような文字であるが、内容は大きく違う。

 は「おこる。腹を立てる。」という意味で、皆さんも時に経験することと思う。

一方、 は孔子の教えの中にある言葉で

「ゆるす。思いやる。大目に見る。」という意味である。

誰しも 過ち(あやまち)はあるし、間違いもある。

場合によっては失礼になることもあるが、人間、神様ではないので、止むを得ないこともあるが、中には、直ぐ怒ったり、また 一旦怒ったら、絶対 人の意見も聞かず 一歩も引かない人もいるが、だからと言って、いつまでも怒っていては、お互い面白くないし、問題解決にもならない。相手が反省したり、訂正したら 恕(ゆるす)の気持ちになれと言う意味である。

 

他人の心情を察し、大きな気持ちになって、人を許すことも大切と思う。

 

 

財務分析をしてみましょう

 

財務分析というと難しそうで、専門的な知識がないとわからないと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、決算書の数値から簡単に計算できるものもあります。

今回は貸借対照表の科目から読み取れる、会社の安全性を判断するための指標を取り上げたいと思います。

 


 

流動比率

 

年以内の返済や支払に対応できる能力を備えているかを見る指標

 

 

短期(1年以内)で支払いをしなくてはならない流動負債のうち流動資産はどれくらいあるかを見る指標です。流動資産が流動負債を上回っている、つまり流動比率が100%以上であるということは、短期的な支払能力が支払義務をまかなっているということで、支払余力があると推測することができます。流動資産に含まれる棚卸資産のデットストック化や売掛金や短期貸付金の回収遅れ等を考慮して、流動資産が流動負債の2倍(200%)は必要と言われています。

自己資本比率

 

会社の体力を見る指標

 

 

すべての資本のうち返済不要の自己資本(株主資本)がどれくらいあるかをみる指標です。自己資本比率が高い(総資産に占める自己資本の割合が多い)ほど経営は安定し、倒産しにくい会社となります。

また、自己資本が多いということは、過去の利益の貯蓄が多いということを示します。自己資本比率は業種によって異なりますが、目安は30%と言われています。

固定比率

 

固定資産を取得するのにどのくら い自己資本で賄ったかをみる指標

 

 

投下資本が長期にわたって固定される固定資産は、返済の必要のない自己資本の範囲内に収めるべきであるという考えに基づく指標です。

固定比率は100%以内が望ましいと言われますが、日本では銀行からの借入金などにより設備投資を行う企業が多いので範囲内に収めるには厳しいのが実情です。

 

実際に計算してみて、「うちはなかなかいい状態だ。」と思われた方、「ちょっと心配だな・・・」と思われた方がいるかもしれません。

しかし、これだけで判断するのではなく、@同業他社と比べるA過去と現在を比べるB計画と実績を比べる、その上で良い悪いを判断することが大切だと思います。安全性の指標のほかにも効率性、収益性、生産性などの指標があります。詳しくお知りになりたい方は担当者までお尋ねください。

 

トップへ戻る