2016年2月号
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税理士法人さくら中央会計
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かけはし 2016年2月号
消費税の軽減税率について一言
自民党と公明党の間の消費税の軽減税率導入が決着しました。消費税を10%にした段階で、生鮮食品のみならず加工食品についても8%の軽減税率で課税しようというものです。
一般の国民に対するアンケートでは「賛成」が75%近くに達し、おおむね賛成のようですが、実際に導入されると、事業者にとっては多くの混乱要因と大きな事務負担増となります。
軽減税率の導入で困ること
軽減税率が導入された場合、果たして10%適用なのか8%適用なのか非常に複雑になります。
ハンバーガー・チェーンで持ち帰りの商品は8%、店内飲食の商品は10%ですが、皆さん利口ですから、持ち帰りとして店のすぐ外で食べる人が多くなるでしょう。店外はゴミの山となるかもしれません。クリスマス・プレゼントのお菓子の入った靴は食品でしょうか、おもちゃでしょうか。世の中の取引はどんどん複雑になってきており、軽減税率を導入するとなると、私たちの常識によるところの生鮮食品・加工品とそれ以外の一般商品との区別が簡単にはできず、とてつもなく複雑怪奇なものとなってしまう可能性があります。理屈で決めても、現実は理屈通りにはいかないことが多くあります。
軽減税率を導入しているヨーロッパではものすごく詳細な区分表が作成され、それに準じて消費税の課税区分を判断しています。
インボイス方式導入の是非
この状態を解決するために「インボイス方式」の導入が予定されています。インボイス方式とは、取引の前段階の事業者が「消費税は○○円」と記載されたインボイスを次の段階の事業者に発行することにより消費税額を明らかにしていく方法です。これとても、消費税率8%導入時やマイナンバー導入と同様にソフトウェアの改修費用が発生しますし、事務手続きも非常に煩雑となります。現段階では税理士である私どもが取引の形態のみが分かれば消費税の適正な処理が可能でしたが、軽減税率導入後は事業者である皆様方から、より詳細な消費税の情報を頂かなければ処理が困難となってきます。
税制は誰のためのものか
税制とは国の基本的仕組みであると同時に、国民にとって公平かつ簡易で誰でも理解できるものでなければなりません。今回のこの軽減税率の課題を見るにつけ、国民や事業者のための税制というよりも、自民党と公明党の選挙向けの対策の攻防としか見えないのは私だけでしょうか。
1兆円と言われる不足財源の確保も問題です。
普段から税金に携わる者として多くの疑問符がつく軽減税率です。
社長様の仕事
弊社のお客様で、今年の1月より従来の事業に加え 新事業を始めた会社があります。
新事業と従来の事業との相乗効果も期待され、数年前、新事業の準備段階から社長様自らが先頭に立って計画し、事業開始後も、社長様が困難で大変な仕事に従業員とともに、自ら取り組んでおられます。
社長様が、早朝から夜遅くまで、新事業に取り組み、課題を発見しそれを改善している姿を拝見したときに、この事業は必ず成功すると確信しました。
会社の新事業に関連し、有名な経営コンサルタントである一倉定(いちくらさだむ)さんの次のような言葉がありますので紹介したいと思います。(紙面の関係で一部省略しておいります)
社員にまかせても良いような新事業は、
はじめから「わが社の将来の収益」など期待できない。
新事業というものは、第一に社長が自ら身を挺してやるものだ。
世の中の社長の中には、新事業に自らたずさわろうとせず、他人まかせにする人がかなりいる。
難しい新事業は他人に任せ、自らは永年手慣れた事業の方をみている。やさしい方を自分がやり、
難しい方を他人にまかせるとは、いったい、どういう了見なのだろうか。成功など夢のまた夢である。
社員にまかせても良いような新事業は、はじめから「わが社の将来の収益」など期待できないのである。
新商品・新事業の成否は、そのまま企業の将来の運命に直結する。社長の役割が企業の未来をつくることにある限り、社長自ら新事業に取り組み、総指揮をとるのが当たり前である。
(「一倉定の経営心得」より)
従来と同じことの繰り返しでは成長が困難な時代になりましたが、社長様と従業員の皆様の全員の創意工夫があれば、これからも確実に成長していくことができると確信しております。
良く 良く 考えて 行動しよう
魚は、 餌だけを見て 釣り針に気が付かないから釣り上げられてしまう
人間も、その時の儲けや、利益だけを考えるのではなく
あと先(今後)のことも 考えて やらないと
失敗することがある
人を 信用することは 大切であるが鵜呑みにしては ならない
平成28年度 税制改正大綱が決定!!
2016年度の税制改正大綱が発表になりました!
平成29年4月に消費税率10%に引き上げることを前提に、個人・法人ともに下記のとおり税制改正が行われます。
1.個人所得課税
2.法人課税
3.消費課税
消費税率10%引上げにともなう軽減税率は、何を軽減税率対象にするか、大変難しい問題だと思います。
低所得者対策と言われていますが、実際はたくさん買い物をする高所得者が得をする・・・・・・。