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2021年11月号

 

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事務所通信

 

かけはし 2021年11月号

 

利益とは何かと考えると、収入−経費と計算されますが、経営的に見て利益とは何でしょうか。

 

利益は血であり、栄養である

 

 経営の基本的な仕組みは、お金を投資して材料等を仕入れ、経費をかけ、後に物品を販売してお金を回収するという流れです。資金→物品→資金です。この流れの中で当初の資金より回収した資金が多ければ経営は安定し、さらに金額が多ければ企業は拡大し、成長します。

 企業経営にとって最も大切で追及すべきものが“利益”です。利益は必ずしもお金とは一致しませんが、利益はいずれお金に変わり企業経営を継続可能とするので、経営者が一番に重要視するものとなります。

 つまり、利益は企業経営にとって現在を生き抜く血であり、将来に向けて成長を担う栄養であるといえます。

利益は一年間頑張った証である

 

 経営者の苦労は絶えません。売上の確保、人材の活用、借入金返済の重圧など様々です。

 ただし、経営者は苦労の先に見える利益や役員報酬などを夢見ることができるから、これらの苦労を乗り越え頑張れるとも言えます。

 ここで言うところの、どれだけ頑張ったかを示すひとつの証が“利益”です。多額の利益が上がるということは、経営のかじ取りが上手くいって成果が上がり、安定経営を手に入れたと客観的に評価することをいいます。

 一方で、残念ながら一年間頑張っても赤字であったということは、経営が上手くいかず資産を減少させたことを表します。利益は経営者の一年間の頑張りの通知表なのです。

利益は出たものでなく、出すものである

 

 マラソンを見ていると、ランナーは常に腕時計を見ながら走っています。中間地点で頭に刻み込んだ目標タイムと腕時計のタイムを見ながら、このままの調子で走れば最終目標タイムを達成できるか、もう少しペースを上げなければならないかを判断して走り続けます。この仕組みがなく闇雲に頑張って走るということは、竹やりを持って突っ込むようなものです。

 経営もある意味、マラソンと同じです。今年の利益目標を明確に掲げ、月次の実績の利益をタイムリーに測定し、目標利益と比較し、このままのペースでよいのか、ペースを上げなければいけないのかを判断し、経営のかじ取りをすることが大切と言えます。

 これらの仕組みを毎月繰り返すだけで、足腰のしっかりした将来に向けて成長できる企業体質を作り上げることができます。

 

企業の健康診断(経営分析)

 

 人間の生身の体についても、いろいろの数値によって健康体か、あるいはどこが悪いかを判断するのと同じように、企業についても、会計処理を前提に、いろいろの角度から見た数値によって、健康(安全)かどうかを判断しますが、一般的には同業他社と比較しますが、実は一番簡単な自己診断は、過去の自社のデータと比較することによって、今、自分の企業はどの方向に進んでいるかを判断します。

その第一は 収益性

 

最も重要な指標で、稼ぐ力があるか利益を挙げることが出来るかを判断します。(売上金額と経費との比較)(売上と仕入との利益率の関係等)

第二は 健全性

 

借入金が多すぎないか、債務が過大で倒産の心配はないか、預金と借入金の関係、資産と負債との関係等

第三は 安全性

 

資金繰りに問題は無いか、企業の将来への見通し等

 

 

人の場合でも見た目は健康そうに見えても血流 (資金繰り)が留まると一発で倒産してしまうのと同じです。

 

税務通信 令和4年1月からの新電子帳簿保存法 「うちは関係ない」といえません

 

 令和4年1月から電子帳簿保存法の要件が大幅に緩和される一方で、例えばメールで請求書のPDFファイルを受信した場合など「電子取引データは全て電子データで保存する」ことが義務化されます。

 したがって、自社が電子帳簿保存を希望しなくても、電子データで受け取った取引関係書類は、紙で印刷して保存してもオリジナルの電子データを保存しなければ保存の義務を果たせないことになります。

  電子取引データは、 Amazonや楽天といった通販サイトや宅配便や電話会社のサイトでダウンロードする様な請求書等も該当します。今年10月からの郵便法改正で請求書を郵送からメールに切り替えた企業もある様なので、新たな対応が必要になります。

 

5通りの対応策

 

  1. 時代に逆らって電子データから紙に切り替える
  2. タイムスタンプを押したPDF形式等のデータでもらう
  3. もらったPDFに自社でタイムスタンプを押す
  4. PDF等を保存するシステムで修正削除ができなかったり、修正削除のログが残せる仕組みにする
  5. PDF等の電子取引データの訂正及び削除の防止に関する事務処理規程を作り運用する
     (事務処理規程は国税庁のHPからサンプルのダウンロードが可能です)

どの対応策を選択するか

 

(1)は一時的には紙で統一できたとしても、大手を中心に電子化は加速すると考えられます。逆の立場で電子データで請求書が提出できないと支払わないとか、取引しないというところも出てくるかも知れません。

(2)と(3)のタイムスタンプはコストがかかるので、(4)か(5)が現実的な対応策になると思います。

(4)は年末にかけてソフトウェア会社から対応商品が出てくる様です。クラウド上で保存する商品が主流になると考えられます。お使いの会計ソフトとの相性で検討されることが良いと思います。

(5)が一番コストを掛けずにできそうですが、事務処理規程を社内で徹底する意味では、それなりの労力は必要になるかも知れません。

検索機能の確保をどうするか

 

 電子データで保存するには、検索機能も確保しなければなりません。

(4)のシステムで管理する場合は、システムで検索できるようになると考えられますが、(5)の事務処理規程でハードディスクや一般的なクラウドで管理する場合は、「取引年月日等の日付」「取引金額」「取引先」で調べられるようにしておく必要があります。

国税庁のHPに対応例1として、ファイル名に番号を付け、Excelで「番号」「取引年月日等の日付」「取引金額」「取引先」一覧にする方法と、対応例2としてファイル名自体に 「取引年月日等の日付」「取引金額」「取引先」を入れるやり方が出てます。

例えば請求書のPDFに「2021020さくら30000」と3要素が読み取れるファイル名を付ければ要件は満たすことになります。

 

 

例1)Excel一覧検索方式

 

例2)直ファイル名検索方式

 

 

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