2022年8月号
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かけはし 2022年8月号
不良債権をなくす、売掛金回収はスピードがポイント
企業の倒産件数が10ヶ月連続で前年同月比で減少するなど、一見すると企業業績が良いイメージがあります。
ただし、実際のところは政府のコロナ対策資金が功を奏しているのが実情であって、決して内情が良いわけではありません。
今後、対策資金の返済が始まったり、円安による物価高の影響がさらに深刻化すると、企業倒産も増加するかもしれません。
売掛金回収はスピードが命
我々が企業の決算をしていると、未回収の売掛金が多い企業があります。昨年の決算での売掛金が今年も残っているケースなどです。
原因はハッキリしています。
回収のスピード、もっと言うと「回収への動きが遅い」ということです。
売掛金回収の困難さは、
ということです。回収日に入金になっていなければ、即、督促をし、具体的な回収予定で合意することが大切です。
企業によっては、経理は単に帳簿をつけているだけで回収できていない売掛金が経営者に伝えられず、そのまま放置されているケースもあります。
また、請求金額が少ないほど回収が杜撰になってしまう傾向があります。
督促もしなければ、支払先企業も「請求してこないからいいか。」ということにもなりかねません。
支払の優先順位は高いか
支払先が仕入先であれば、支払ストップは仕入ストップに通じ、企業の生命線が立たれてしまうリスクがあります。ですから、支払先は何としてでも資金を融通し支払うでしょう。このように自社の売掛金が相手にとって優先順位が高いかどうかを見抜く必要があります。
低ければ低いほど、売掛金回収に向けての行動を迅速に起こすことが大切です。
督促がうるさい会社となろう
「あそこの会社は売掛金管理が厳しい」と思わせることも重要です。そのためには1日でも支払いが遅れたら、きちんと督促することが大切です。このあたりがルーズな会社にはルーズな対応がされます。きちんとした対応で、自社への支払の優先順位は自然と高くなるでしょう。
景気の落ち込みリスクも懸念されます。問題は小さいうちに摘み取ることが肝心と肝に命じましょう。
想定外のリスク
昨日まで健康な人が急に風邪をひいたり、新型コロナウイルスにかかったり、ガンが発病することはある。
そうならない為に予防でマスクを着けたり、手洗い、ウガイをしたり、予防接種や健康診断をするわけだ。
企業も同じで これまで問題が無かったからこれからも絶対大丈夫 という根拠なき自信は妄想に過ぎない。
想定外のリスク は地震、雷、火事だけでは無い。
昔のように義理人情を大切にする時代とは変って、取引先にしても社長や係が替ったり、事情が変れば、急に取引を停止されたり、当社に不利益なことでも、それが嫌なら取引停止になったりすることは時々見られる。
だから 安全性を維持するために、取引先を1社にしぼらず数社以上持つようにしたり、1社が固いから有利だからと 取引割合を絶対的に多くすると運命共同体になるので、避けたりする。
また個人の財産にしても財産3分法と言って、預金現金,投資有価証券,不動産 をそれぞれ3分の1づつにして保有 すれば経済がどう変化しても安全だと言われる所以である。
税務通信 法人版事業承継税制(特例措置)における特例承継計画の提出期限延長
法人版事業承継税制とは、後継者が一定の非上場株式等を贈与または相続により取得した場合、その非上場株式等に係る贈与税・相続税について、一定の要件を満たすことで、その納税が猶予され、後継者の死亡などにより、猶予されている贈与税・相続税が免除される制度です。
2018年の税制改正で、贈与税・相続税の納税を全額猶予する10年間の『特例措置』が創設されました。
事業承継の際に引き継いだ全株式について、100%の納税が猶予されるという、極めて有利な条件が特徴です。
この特例措置を受けるためには、都道府県庁に『特例承継計画』を提出する必要があります。この計画の提出期限は、2023年3月末まででしたが、今年の税制改正で、提出期限が2024年3月末までと1年間延長されました。
(適用期限は、2027年12月31日のまま変更されないため、注意してください)
事業承継税制は、贈与税や相続税の納税が猶予されると、納税財源を確保しなくてもよくなるというメリットがあります。
一方で、事業の継続が困難になって廃業したり、株式を他社に譲渡したりすると、猶予されていた分の税金に利息を付けて納付しなければいけません。
事業継承税制の適用を受けるための後継者の要件も変更されています。 これは、4月から成年年齢が18歳になったことで、今まで20歳以上が後継者の要件となっていたところを、18歳以上に引き下げられています。
令和4年4月1日以降は、株式等の贈与があった日に18歳以上であれば、事業承継税制の対象になります。
会社の経営状況や今後の見通しを立てたうえで、制度適用の選択肢として可能性があるのであれば、早めに計画策定に取り組んでも良いかと思います。仮に「特例承継計画」を提出した後、適用を受けなかった場合もペナルティは特にありません。
「特例承継計画」を提出し、都道府県知事の確認を受けておくことをお勧めします。
細田 和世